ナノ結晶ECD動作原理                最終更新日 2005.3.22


構造
 ナノ結晶ECDの模式図を色素増感太陽電池と対比して下に示す。透明導電膜付きガラス電極に酸化チタン多孔質膜を形成し、色素を吸着させ、対極と向かい合わせて電解質溶液を間に染み込ませるという基本構造はどちらも共通している。
 色素増感太陽電池が光エネルギーを電子に変換して発電するのに対して、ナノ結晶ECDは電極に微小な電流を流すことで無色の状態から青色に発色する。 
  
  
ナノ結晶ECD
色素増感太陽電池

酸化チタン多孔質膜
 通常、粒径 50 nm 以下のナノサイズ酸化チタン粒子を使用する。透明導膜付きガラス基板に塗布し、数μmの厚みになるよう 500℃, 1h 程度焼き付けることで多孔質膜を得る。

色素

 末端にリン酸基を持つビオロゲン誘導体。電極に微小な電流を流すことで透明無色の状態からやや灰色を帯びた青色に発色する。(Viologen 1)
 
リン酸基が1つの Viologen 2 を用いると紫がかった青色を呈する。

ビオロゲン色素
電解質溶液
 0.1M LiClO4 を溶質とするγ-ブチロラクトン溶液。